我らのガボン日記 ー臨床検査技師編ー

青年海外協力隊としてガボンで輸血医療向上を目指す臨床検査技師の日記

救世主

今日、ちょっといろいろありました。

 

記録として、書きます。

 

いま私は「日本の輸血」を紹介するためのプレゼンテーションを作っています。

血液製剤を作っている日本赤十字社の概要から、献血の流れ、製剤の種類、製剤の作り方、それを病院でどのようにして扱い輸血しているのか…

かなり膨大で専門用語炸裂の内容です。

 

日本語で作ろうとしても時間がかかります。

 

まして私は病院で働いていた検査技師なので、

日本赤十字社の細かいところまでは知りません。

だから、ネットと日本から持ってきた資料と血液センターの方に助けてもらいながら日々スライドを作っています。

 

この3週間、

毎晩12時まで、

土日もどこにも行かずずっと作業していました。

 

 

でも、

 

 

昨日

 

 

カウンターパートに、

 

 

「スライドの進捗が遅すぎる、家で何してるの?」

「今の仕事はただ業務の見学だけなんだから疲れなでしょ、家でもっと準備しなさい」

 

 

こう言われました。

 

 

 

ただ純粋にショックでした。

 

 

「私にとって、日本語からフランス語訳するのは大変な作業。毎晩準備しているけれども、時間がかかる」

 

 

そう言うので精一杯でした。

 

これしか言えないのも、

スライドの進捗が遅いのも、

「全ては私のフランス語力が無いことが原因」

ということは分かっています。

本当に痛いほど分かっています。

 

何とも言えない悲しさと悔しさでいっぱいでした。

 

でもどうにかしなければ、心も体も辛くなると思い、

輸血センターの同僚「とにかく優しいステファン」に状況を報告し、助けを求めました。

 

 

すると、今朝、

怪しまれないようにまわりに気を使いながら、

私を連れ出してくれ、

困っていること全部を話してごらん

と相談に乗ってくれました。

 

「マイが悲しいと俺も悲しい、マイが嬉しいと俺も嬉しい」

 

こんなことまで言ってくれました。

 

優しすぎる。

 

「マイが抱えている問題は俺が解決するから」

 

惚れてまうやろ。

 

とりあえず、プレゼンの準備がしんどいこと、センターの外に出るのが禁止されていることなどなど、小さいことまで相談してみました。

 

すると、ステファンが関係者に話して解決してくれるということになりました。

 

もう、救世主としか言いようがありません。

 

これまでの問題が、明日からどう変わっていくのか。

 

カウンターパートとの関係はどうなっていくのか。

 

怖いですが、

前向きに生きていきます。

 

 

そして、

「とにかくまずはフランス語を上達させよう」

ステファンの言うと通り、上達させます。

 

いつの日か、

「あ~こんな日もあったな~」

と、フランス語で笑いながら会話できるように、

努力します。

 

以上、ちょっとしたターニングポイントを迎えたような気がする日のお話でした。