我らのガボン日記 ー臨床検査技師編ー

青年海外協力隊としてガボンで輸血医療向上を目指す臨床検査技師の日記

ランバレネへ!

血小板製剤作製の作業とその他諸々が忙しく、更新できませんでした。

が、元々予定していた小旅行を無事に楽しく終えて帰ってきたので、今回は記憶が新しいうちにそのことについて書きます。

 

3泊4日の日程で、ガボンの地方都市ランバレネに行ってきました。

 

↑首都は青〇、ランバレネは緑〇

 

ランバレネには2019年3月現在7人のボランティアが活動しています。

今回はみんなの活動見学をしに行ってきました。

 

移動の初めは私の寝坊から始まり、大慌てでバス乗り場まで行きました。

バスといっても日本でイメージするようなバスに乗るのはまれで、ハイエースやトラック、普通の乗用車がほとんどです。

そして勧誘のおじさんたちが「わしの車に乗ってくれ」という感じで言い寄ってくるので、無視しつつ、安全そうないい車をみつけつつ、値段交渉しつつ、貸し切り交渉しつつ、良い条件の車が決まったら乗車して、出発!

 

運よく今回はきれいなハイエース、エアコン付き、広い、日本人で貸し切りという好条件で出発できました。

 

赤土のぼこぼこ道に揺られ、

 

途中で赤道を越えるので記念撮影し、

 

ガボン大自然を眺めること5時間弱。

 

着きました、ランバレネ!!

 

今回私たちが宿泊の拠点にするのは、シュバイツァー病院の敷地のお家。

このシュバイツァー病院、とても素敵な歴史をもつ病院なのです。

ざっくり説明すると、フランスの神学者、音楽家、哲学者、医者のアルベルト・シュバイツァーガボンに渡りランバレネで医療活動に奉仕し、ノーベル平和賞を受賞し、ガボンで生涯を終えたという感じです。

このシュバイツァー先生が医療活動をした病院がこのランバレネにあるのです。

 

敷地に入ると、共に活動している国々の国旗に迎えられ、

これを横切ると、シュバイツァー病院の広大な敷地が始まります。

 

そして広大な敷地の中に一部の職員さんの住居が点々とあり、そのうちの一つの専門家さんのお家に私は泊まらせて頂きました。

 

今回の目的は活動見学。

 

ということで、まずは同期の畑見学。

これがまた、素敵なんです!

 

シュバイツァー先生が自給自足を夢見て作った畑。

夢半ばで病に倒れ、叶えられずに亡くなり、残された畑。

草が生い茂り、畑とは思えない状態になってしまった荒地に自給自足を実現させるために同期隊員が派遣されました。

 

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シュバイツァー先生のお墓の前にある土地を一から手入れし、徐々に畑になってきて、今少しずつ野菜が収穫できはじめているそうです。

 

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感動。

 

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途方もない作業を黙々と、しかも楽しそうに続ける彼の姿はまさに青年海外協力隊という感じがします。

素敵です。 

ちなみにこの彼、「ジャガイモ博士」なのですが、ガボンの地ではまだジャガイモ栽培は難しいらしくまだ収穫できていないそうです。

帰国までにうまく育ってくれるといいです。

 

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畑で作業中にこの川にカバがいるのを見つけたそうです。すご。

 

 

 

お次はシュバイツァー病院。

 

 

世界で3人しかいない臨床検査技師の一人が、ここの検査部門にいます。

 

生化学や血算などの必要最小限の機械と昔ながらの用手法で検査をしています。

パソコンはないのでデータは全てノートに手書きで管理。

 

ちなみに輸血管理はこんな感じ。

 

この病院で輸血製剤用の採血をし、検査をして、静置して分離、はさみでチューブをきって結んで終了。

鳥肌が立つ輸血方法ですが、これが現実です。

血液型はまな板の上で検査。交差試験もまな板上で検査。衝撃。

 

今後臨床検査技師どうし、コラボして活動していきたいです。

 

ちなみに救急外来はこんな感じ。

このベッドは、最も重症な患者さん処置用のベッドだそうです。おぅぅ。

 

続いて看護師ボランティアさんの母子保健の職場も見学させてもらいました。

赤ちゃんの体重身長等を手際よく測っている姿はまさに日本の看護師さん!かっこいです。

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実はこのシュバイツァー病院、経営難で給料未払いが数か月も続いているのですが、職員さんたちは未払いでも来て働いているというまじめっぷり。

ストライキも何度か起こりかけ、潰れるという噂も飛び交う状態ですがどうか上手く建て直して運営を続けてほしいです。

 

 

お次はシュバイツァー病院を出て、同期の小学校教員の授業見学!

彼女が現在進めている音楽の授業のお手伝いをしてきました。

 

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この日ははじめてピアニカを教える日。いい日に同席できました。

 

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バリバリの仕事人間の同期先生が、ピアニカを日本から送ってもらい、一つ一つ手入れをし、鍵盤にシールも貼って、現地の先生を相手にまずは講習会をし、迎えた生徒に教える日。

 

一緒に行った日本人みんなでお手伝いをしました。

が、これがまあ大変なこと!

生まれて初めて触る鍵盤に、ぎこちなさ全開の指の動きを見せる生徒、とりあえず音を鳴らしてみる生徒、音の大きさに耳をふさぐ生徒、もう、様々。

 

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でも中には抜群のセンスを見せてあっという間に課題の「きらきら星」を弾く子もいました。

生徒の可能性を広げる活動だなと実感しました。

 

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これを普段は1人で教えているのだと思うと、大変すぎます笑

大声だしてフランス語でガシガシ授業を進めていく同期先生の姿はもう尊敬尊敬です。

 

 

次は養殖のシニア隊員さんの職場へ!

 

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もはや、ボランティアというより専門家さんの仕事内容。

初めて見る業界なので純粋にわくわく。

 

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育てているのはティラピアで、サイズごとに段階分けされていて、餌をまくとパクパク寄ってくる様子がかわいいんです。

 

隊員さんが作った道具を嬉しそうに説明するカウンターパート(ボランティアの相方的存在)

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隊員さんを尊敬している様子が伝わってきてとてもいい関係を築いているのだと感じました。素敵。

 

ちなみに、金魚すくいならぬ「ティラピアすくい」をしました。

なんと、歴代の記録を破り私が9匹とって優勝しました。

楽しかった~~~~

 

 

最後はCarmel。

ランバレネの研究機関なのですが、ここに長崎大学と共同で感染症の研究を行っている施設があります。

 

 

BSL3まで対応可能なハイスペック施設。

なんと、キムワイプまである!もはやここは、日本です。

アフリカは研究の宝庫なのでここで研究している先生方は楽しいこと間違いなしだと思います。

 

そしてそして、このCermelにあのDr.ジョンが!!!!

 

5か月前に突然お別れした仲良しのジョンがここで働いていました!!!!

予定つめつめだったので会えるか会えないか微妙でしたが嬉しい再会になりました。

 

こんな感じで隊員の活動見学をし、

夜はみんなで魚食べたり(ランバレネは川があるので魚が有名)、

モノポリーしたり、おしゃべりしたり、

修学旅行のような感じで過ごし、あっという間な3泊4日でした。

 

なんとなく、ランバレネは青森の田舎の風景に似ていましたが、

足元にはアフリカマイマイが歩いていたので青森じゃないわ~ってなりました。

 

 

最後の一枚は、以前の大統領選挙の際の暴動で焼かれた空港の残された滑走路で撮った写真。

一斉に飛ぶのって難しい笑

 

 

では、また!!!