我らのガボン日記 ー臨床検査技師編ー

青年海外協力隊としてガボンで輸血医療向上を目指す臨床検査技師の日記

まさかの食中毒

海外、とくに途上国では食中毒はつきものです。

 

自分の健康は自分で守るために、青年海外協力隊になる前の70日間の訓練では健康に関する講座があります。

そして検査技師である私は、その70日間の訓練の前にも「マラリア技術補完」という講習をうけ(しかもマンツーマンで1週間)、マラリアはもちろん、そのほかの寄生虫、そして食中毒にならないための生活の仕方など、かなり貴重な内容をみっちり学習してきました。

 

せっかくなので、その技術補完で学んだ食中毒対策まとめを最後に載せます。

 

そして本題、まさかの食中毒。

 

5月初旬の話になります。 

ガボンに来てから10ヶ月の間、技術補完で学んだことをきちんと活かし、一度も食中毒にかかりませんでした。

家での調理はもちろんですが、外で食べる屋台飯やレストランのものは特に気をつけていました。

 

そんなある日、大手チェーンのファストフード店ガボンへ登場しました。

 

 

ずばり、ケンタッキー。

 

ガボンでケンタッキー!」我々日本人はテンション上がりました。

 

そしていつも私たちボランティアに良くしてくれている専門家さんがこのケンタッキーを買っておすそ分けしてくれました。3人で分け合ったケンタッキー・フライド・チキン。

 

久々のケンタッキーが嬉しくて、日本のよりもジューシーだなぁなんて思いながらむしゃむしゃいただきました。

 

2日後の昼、やってまいりました。

 

腹痛、下痢、微熱、吐き気、倦怠感

 

そのときはまさかと思い、ただ具合が悪いだけだと思っていました。

 

が、

 

次の日に同じくケンタッキーを分け合ったもう一人のボランティアから連絡があり、彼女も同じ症状だと判明。まさかのまさかと思い、最後の一人の専門家さんにも連絡。そのまさかのまさかで、同じ症状。

おそらくカンピロバクターでしょう。

 

 

ケンタッキーで食中毒

 

 

そこらへんの屋台の店でもお腹壊したことなかったのに、あの大手チェーンで食中毒。

まさかの事件です。

 

思い返すと、あのとき感じたジューシーさは血抜きと火の通りがあまかったのだと反省。

ジューシーと思った自分アホすぎる。

ケンタッキーだからと、警戒心がゼロになっていました。

猛反省。

 

 

大手チェーンといえども、途上国は途上国。

作っているのは現地の人。

マニュアルはあってもそれに従うかどうかは未知。

 

 

「大手チェーンでも安心はするな」

とてもいい教訓を得ました。

 

 

日本では大丈夫だと思いますが、

みなさんも外国へ行ったときはご注意を。

 

 

ということで最後に、技術補完で学んだ内容をどうぞ。

 

◆食中毒関連の注意事項◆

◎水関係

・脱水状態の確認は富士山チェック(手の甲の皮膚をつまんで引っ張って、離したときに元に戻らなければ脱水状態)

・水分補給にはココナッツもよい(無菌です)

・バナナ最強

・水道水を飲むなら、60℃以上で熱する。そのあと、時間をおいて不純物を沈殿させるとさらによい。

・外で出された水は目の前でペットボトルのキャップを開けたもののみを飲む

・氷も注意

・途上国の水道水によくいるクリプトスポリジウム寄生虫)は、塩素では死なないが煮沸で死ぬ

・そしてそいつは果物にもいる

・店に売ってあるペットボトルや紙パックの水、ジュース、牛乳も腐っていることがあるから飲む前に確認(牛乳開けたらドロドロだったことあり)

 

◎食べ物関係(私の経験も含まれています)

・口に入れるものはもちろん、手にも気を付ける

・目の前で調理されたものを食べる(いつどうやって作ったのか分からないものは危険)

・ゆげが出てないものは食べない

・My皿、Myスプーン、Myフォークなどを持っておくと安全

・My○○を持ってなかったら食べる前に必ず拭く

・コップも拭く

・ストローも実は危険

・生野菜は食べない

・サンドイッチに入っている野菜等も生は危ない

・鶏肉は特に要注意

・魚も生焼けに注意

・スーパーで売っている食品でも既に賞味期限切れていることあるから確認する

・スーパーで売っている食品でも虫余裕で入り込んでいるから注意(特に米)

・蒸し暑い地域では、昼時を過ぎて売れ残っている屋台飯はやや注意が必要

 

 

そこまでしなくても~と思うかもしれませんが、苦しい思いはしたくないのでわりと忠実に守っています。

その結果約1年間で食中毒はケンタッキーのみです!

 

次回は、輸血センターのお話にもどります~。