我らのガボン日記 ー臨床検査技師編ー

青年海外協力隊としてガボンで輸血医療向上を目指す臨床検査技師の日記

忘れん坊

青年海外協力隊が活動する配属先には必ず、「カウンターパート」というボランティアの補助をする現地人の職員がいます。

活動の相談役、報告書の修正役、そのほかのお助け役、簡単に言えば公式な相方です。

 

配属先によってはこのカウンターパートは協力的だったり、非協力的だったり、いい人だったり、意地悪だったり、そもそも仕事に来なかったりなどなど、様々です。

違う国にいる私の同期はカウンターパートが既に3回失踪しているそうです。

だいたい聞く話では、カウンターパートは非協力的という場合の方が多い気がします。

 

さて、私の配属先輸血センターはどうでしょう!

 

私のカウンターパートは… 

 

協力的!!!!!

 

生物学の教員資格?(日本語でいい訳が思いつかない…)を持っているらしく、周りの職員からは一目置かれる存在。病院向けの講習会でも一番よく話しています。

 

↓青いシャツの人

 

ヘモビジランスという輸血後の情報を収集しているところの長をしています。

もちろん輸血の事にも熱心なので、わりと真面目に仕事しています。

 

そして私の活動のこと、フランス語の報告書の修正にとっても熱心です。

 

おそらく、このセンター内、というよりガボンでは血液型について一番か二番目くらいに詳しいので、私とよく血液型検査のことで熱い議論を交わします。

でも残念ながら血液型や不規則抗体など、輸血関連の知識はかなり初歩的なことでとまっています。

そもそもこの国には、医師や技師を含め輸血の専門家も、輸血関連の書籍もありません。

大昔に誰かが持ってきた他の国の資料を読んで勉強したところで情報は止まり、誰が言ったか分からない知識と技術が時間の経過とともに独自のアレンジが加えられ変に定着してしまっている様子です。

 

話が逸れましたが、私はカウンターパートに恵まれています。

 

が、ただ一つ、私を悩ます大きな問題があります。

 

良くしてくれている人のこと悪く書くなと思うかもしれませんが、これがもう言わずにはいられないのです…笑 

 

その大きな問題とは、、、

 

 

記憶力

 

 

血液型検査で熱い議論をしていて、「ノートを車から持ってくる」と一度部屋を出て、戻って来ると「っす」と自分の席に座り何もなかったかのように仕事をし始める彼。「え、さっきの話は!?」と聞くと「あ!そうだった、えっと何だっけ」。

まじか~い!何しに出ていったんだ~い。

 

半年間かけて書いたセンターの現状評価をするフランス語のレポート。月一ぐらいで内容を話し合い、フランス語を修正してもらい、かなりの時間をかけて2人で完成させたレポート。なのに…笑 久々にそのレポートを開いたとき、まるで初めて見るかのような顔で言いました。「これ、誰が書いたの?このフランス語の意味どういうこと?」

おいおいおいおいおい、嘘だと言ってくれ(笑)

 

極めつけは先週の出来事。数十分前まで私と会話をしていたのに、机には分かりやすく荷物を置いていたのに、私がまだセンター内にいるということを忘れて部屋に鍵を掛けて帰ってしまいました。

入れないから戻ってこ~い!!!

 

毎回こんな感じです

 

初めの頃は、病気かと心配したり、活動が足踏みになりイライラしたり、本気で困ってしまいJICAに相談したりしていましたが、最近はもう慣れて笑って見過ごせるようになりました。

 

何度か用事があってセンターに来てくれる他の隊員さんも、彼の記憶力を知っているので毎回「はじめまして」の挨拶をします。シュールに面白いです。

 

こんな彼ですが、とてもいい人です。

 

私もボランティアですが、彼がカウンターパートを引き受けて協力してくれているのもボランティアです。

感謝です。

 

今後どんな面白エピソードが増えるか少々期待しながら、カウンターパートと共に残りの1年の活動をしていきます!!